「NISAで迷ったらオルカン」──そう言われるほど人気の高い、オール・カントリー。
でも、なんとなく“無難そうだから”で選んでいませんか?
実はオルカンの「安心と強さ」には明確な理由があります。
この記事では、構造・為替・S&P500との違いまで、データとともにわかりやすく解説します。
🌏 第1章:オルカンとは?世界をまるごと持つ投資
オルカン(全世界株式)は、先進国と新興国を含む約50か国・3000銘柄以上に投資するファンドです。
主な構成は以下の通り:
- 🇺🇸 米国:約60%(アップル・マイクロソフトなど)
- 🇯🇵 日本:約6%
- 🇪🇺 欧州:約15%
- 🌏 新興国(中国・インドなど):約10%
一言でいえば「世界経済の縮図」。
特定の国や企業に依存せず、世界全体の成長を自分の資産に反映できるのが魅力です。
💵 第2章:S&P500との違い──「集中」と「分散」
「アメリカ株の割合も多いしS&P500でいいじゃん」と言われることもあります。
しかし、オルカンとS&P500では設計思想がまったく違います。
| 比較項目 | S&P500 | オルカン |
|---|---|---|
| 投資対象 | 米国上位500社 | 世界約3000社 |
| 地域 | 米国1国 | 約50か国 |
| 為替 | ドルのみ | 複数通貨(円・ユーロ・元など) |
| 成長性 | 高リターン(米国集中) | 安定成長(世界分散) |
| リスク | 米国景気に大きく左右 | 地域・通貨分散でリスク低い |
S&P500は「米国の未来に賭ける投資」、
オルカンは「世界の成長を持つ投資」。
どちらが正しいというより、目的が違うのです。
📈 第3章:「安心・強い」理由① 地域と通貨の分散
オルカンは株式だけでなく、通貨も分散しています。
米ドル・ユーロ・円・新興国通貨など、複数の通貨で構成されており、為替変動の影響を平均化できます。
つまり、どこかの国が景気後退しても、他の地域が支える構造。
一国集中よりもブレが少なく、長期投資に適しています。
💱 第4章:為替が動いたとき、オルカンはどう動く?
為替が急に動いた局面を見ると、オルカンの特徴がよく分かります。
たとえば、2024年4月末〜2025年4月末の1年間で、ドル円レートは約9%の円高(1ドル=155円 → 141円前後)となりました。

この期間、株式市場そのものは上昇していたにもかかわらず、
円ベースで見るとオルカンやS&P500の基準価額はあまり伸びませんでした。
これは、株価の上昇(プラス要因)よりも、円高による「為替換算のマイナス要因」が大きく影響したためです。
特にオルカンは世界中の資産を外貨で保有しているため、
円高=円の価値が上がる時期には、見かけ上“評価額が下がる”ように見えます。
ここで注意したいのは、「オルカンは為替リスクが小さいから安心」というのは誤解、という点です。
確かにオルカンは地域・通貨が分散されているため、
特定の通貨(ドルなど)への依存度はS&P500より小さいですが、
為替の影響そのものが“ゼロ”になるわけではありません。
もし円高リスクを抑えたい場合は、「為替ヘッジあり」タイプの商品を選ぶ方法もありますが、
その分、ヘッジコスト(運用コスト)が上がるというデメリットもあります。
つまり、この期間のように円高になると、オルカンも一時的に影響を受けますが、
米国株中心のS&P500に比べると、通貨分散が効いてダメージがやや抑えられた傾向にありました。
とはいえ、「オルカンは下がらない」ではなく、「下がり方が緩やかになりやすい」というのが正しい理解です。
⚠️ 第5章:安心の裏にある注意点
- 米国依存度は依然として高い(構成上、米国株が約6割)
- 為替変動リスク:円高時には円ベースで評価額が下がる
- リターンの優位性は常に保証されない(米国一強の時期はS&P500が上回る)
- 新興国リスク:通貨下落や政治リスクも内包
「世界に分散=リスクがゼロ」ではなく、
“リスクを分散して平均化する仕組み”であると理解しておくことが大切です。
🧭 第6章:どう活用するか?
- 長期(10年以上)を前提に保有する
- 短期の円高・円安に一喜一憂しない
- 米国集中型(S&P500)とバランスを取る
- 定期的にリバランス・信託報酬を確認
- 為替ヘッジの有無を商品選択時にチェック
たとえば、オルカン60%+S&P500 40%といった組み合わせも有効。
成長性と安定性のバランスが取れます。
💰 第7章:おすすめのオルカン系投資信託&ETF
🏦 投資信託タイプ(長期・ほったらかし派向け)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
- ベンチマーク:MSCI ACWI(配当込み)
- 信託報酬:年 0.05775 % (2025年時点)
- 特徴:日本を含む全世界株式に分散、手数料最安クラス。
- NISA対応・積立しやすい・リバランス不要。
💡「世界経済をそのまま持つ」ことができる代表的な全世界株式ファンド。
長期積立に最も向いている定番商品。
📊 ETFタイプ(アクティブ管理・流動性重視派向け)
2559 MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信(ETF)
- 上場市場:東証
- 連動指数:MSCI ACWI(配当込み)
- 売買単位:1口単位(証券口座から株式のように取引可)
- 信託報酬:0.0858 %程度
- 特徴:株のようにリアルタイム売買が可能。NISA成長投資枠対応。
1554 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI 除く日本)
- 連動指数:MSCI ACWI ex Japan
- 特徴:日本を除く海外株式に広く分散。
- 日本株を別枠で持ちたい人におすすめ。
💡ETFは「瞬時に売買できる」ことがメリット。
ただし、信託報酬はやや高めで、売買手数料がかかる点に注意。
⚠️ 第8章:ETF・信託を使うときの注意点と考え方
1️⃣ 流動性(売買できる量)に注意
ETFは取引量が少ないと価格が乖離しやすい。東証上場ETFでも出来高をチェックしてから取引を。
2️⃣ 売買コストを意識する
ETFは買うたびに手数料が発生します。積立を重ねるなら信託の方がコスト効率が高いケースも。
3️⃣ 為替ヘッジの有無を確認
円高リスクを軽減したい場合は「為替ヘッジあり」型を検討。ただしヘッジコストでリターンが減る可能性あり。
4️⃣ 目的で使い分けるのがベスト
- 積立メイン・長期運用 → 投資信託型オルカン
- タイミング投資・ポートフォリオ補完 → ETF型オルカン
🎯 “どちらが正解か”ではなく、“自分が続けられる形を選ぶ”ことが最大のリターンにつながります。
🏆 結論:オルカン=世界経済の株主になる投資
米国だけでなく、世界全体の成長を持つ。
S&P500が「アメリカの未来に賭ける投資」だとすれば、
オルカンは「人類の経済成長に賭ける投資」。
短期の勝ち負けではなく、“時間と世界を味方につける”のがオルカンの本質です。
いまは1ドル=150円台の円安トレンドが続いていますが、
長期で見れば為替は「行き過ぎた分だけ戻る」のが常です。
円高局面では、海外資産の評価額が円換算で下がる一方、
円の購買力が高まる=将来の買い場が来るとも言えます。
オルカンのように世界全体へ分散されたポートフォリオなら、
どの通貨が強くなっても「全滅しない」構造を持っている。
つまり、円高も円安もチャンスに変える投資設計ができるんです。
💬 “為替は敵ではなく、リズム。長期投資家はその波を利用する側に回ろう。”

